11月に予定されていたFIA世界ラリー選手権「フォーラムエイト・ラリージャパン2021」は開催中止となりました。9月7日(火)のラリージャパン公式サイトはその旨を伝えています。
FIA世界ラリー選手権「フォーラムエイト・ラリージャパン2021」開催断念のお知らせ | FORUM8 Rally Japan 2021
WRCの公式ウェブサイトにはラリージャパンの文章を倣うかたちで記事を掲載しています。
Pandemic forces cancellation of Japan’s WRC fixture
昨年にひきつづき観戦できないのはとても残念なことですが、五輪みたいによほど
特別な事情でもなければ、今の日本の状況下では開催中止は真っ当な判断だと思います。
少しまえに井上逸兵さんの『英語の思考法 ――話すための文法・文化レッスン』 を買いまして、通勤電車の中などで開いています。
英語の思考法 ――話すための文法・文化レッスン | 井上逸兵
英語の思考法 ――話すための文法・文化レッスン (ちくま新書)
こんな解説があります。
==== ここから ====
人称代名詞は日本語にない
そもそも me や us、he や she などの人称代名詞は日本人にとっては意外にやっかいである。言語学的に言えば、日本語には人称代名詞はないと考えるのが妥当だ。「彼」や「彼女」などという言葉は明治以降に he や she の訳語として生まれたものだ(柳父章『翻訳語成立事情』〔岩波新書〕がわかりやすい)。
「彼」とか「彼女」などというとキザっぽく聞こえたり、ボーイフレンド、ガールフレンドという意味で「普通」の言葉に転化(普通名詞化)していったりしたのもそのせいである。
==== ここまで ====
本ではこのあとその“やっかい”を例示していくのですけど、たしかに人称代名詞の取り扱いは日本語話者(少なくとも私)には難しいものとなっています。
そうした意識を持ちながらラリージャパン中止の文章を日英で読み比べてみると、英語の特徴といいましょうか、I や we、あるいはour や your の部分に明確な違いを感じます。
それと、これは人称代名詞ではないけど「何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします」といった言い方は体に染み付いているし、相手に何を期待しているかは見当つきますが、これを英語に訳すのは、これはこれでやっかいかもしれません。というか、そもそもこのニュアンスは伝わるのでしょうか?
来年こそ日本でWRCを観戦したいものです。