武器としての「資本論」を読む ― 2021年(令和3年)3月11日は東日本大震災から10年
2021-03-11


通勤電車で、座ることができたときは本を読むことが多いです。
駅ごとの車内アナウンスや「プシュー」というドアの開閉音、車輪とレールが擦れ合う「キーキー」といった金属音などとてもうるさい空間です。じっくり本を読むには最悪の場所なのに、文字を追っていくにつれ強い力でその世界観に引き寄せられ、気がつくと乗り換え駅の一つ手前まで来ていたなんてことがあります。もちろんこのような本に出会うことは稀なことです。
白井聡著 武器としての「資本論」はそんな本の一つでした。


左から三春駒、武器としての「資本論」、赤べこ

もちろんおすすめしたいのですが、ただ、他人の評価は自分に当てはまらないことは結構あります。ウェブサイトにいくつか書評を見つけましたので参照ください。

内田樹さんの書評です。
書評・白井聡 武器としての「資本論」(東洋経済新報社刊) - 内田樹の研究室(2020年6月12日)

いかがでしょうか。
なんだか面白そうだから買ってみようかな、と思う人はいるはずです。反対に、こういうのは好きじゃないなぁと感じる人もいるはずです。

では、いとうせいこうさんの書評はどうでしょう。
『武器としての「資本論」』書評 マルクス読み直しを生き生きと|好書好日(2020年5月23日)

ますます遠くに感じたなら、ちょっと待ってと言わせてください。
いとうせいこうさんと渋谷陽一さんがPodcastで提供している音声番組『SIGHT RADIO』を聴いて、そのあとで判断してほしいからです。
渋谷さんはNHK FM『ワールドロックナウ』のDJでもあります。

SIGHT RADIO 渋谷陽一といとうせいこうの話せばわかる!政治も社会も:Apple Podcast内のNo.26 今こそ、地獄を生き抜くルールブック『資本論』を読め!
(2020年6月17日)
<【再生】のクリックにて音声開始>

読んだからといってパっと賢い人間になれるわけではないし明日も通勤電車に乗っているのは一緒ですけど、新自由主義が支配するこの世の中の仕組みというものが理解できただけでも私は満足でした。自分を取り巻く社会の景色が少し違って見えるようになり、そして気分的に楽になったのは大きな収穫です。

受け取り方は人それぞれ。この本の世界観にトリップできたらラッキーかもしれません。

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